更年期障害に対する医療の現状
医療情報サイトなどを運営するキューライフ(東京都世田谷区)の調査(2013)によると、40歳以上の女性の過半数が更年期障害の症状や原因がはっきりしないカラダの不調に悩み、日常生活に何らかの影響を感じていることわかりました。
このような更年期障害を疑われる女性の中で医療機関を受診した人はたった24%。
受診しない理由は、「我慢できる」「そのうち治る」と考える人が多かったそうです。
このように更年期障害は
『みんな通る道』
『我慢していればそのうち治る』
と軽視されがちです。
実際にその多くは約2年で症状が軽減することが多いのですが、その2年をどう過ごすのかがその後の「楽しくとしをとる《アンチエイジング》」に繋がってくると考えます。
また、過去にはプレ更年期から始まり10年以上も更年期症状に悩まされている方を治療した経験があります。
その方は、保険治療で行えるホルモン療法などをしていましたが、家庭環境の変化や仕事場でのストレスが重なり常に満身創痍という状態でした。
私は閉経の1年前から関わらせていただきましたが、「もっと早く鍼灸治療に出会いたかった」というお言葉をいただきました。
このページでは、更年期障害と鍼灸治療について解説していきます。
鍼灸治療がすべての方に有効かはわかりませんが、更年期障害に悩んでいる方の1つの選択肢として鍼灸治療を考えていただければ幸いです。
更年期障害の原因
更年期障害とは
閉経前後約5年間を更年期といいます。
日本女性の閉経年齢は50.5歳といわれているので、45〜55歳の期間を指します。
この期間に生ずる不定愁訴を更年期症状、その症状が日常生活に支障をきたす程度のものを更年期障害といいます。
更年期障害の原因
更年期障害の内分泌的因子、心理・性格的因子、社会・文化的因子といった3つの要因が関与しています。
内分泌的因子
卵巣機能の低下(特にエストロゲン分泌低下)により、ホルモンのバランスが崩れ、自律神経失調症状(ホットフラッシュなど)が生じます。
心理・性格的因子
更年期になったからといってすべての人が日常生活に支障をきたす更年期障害が生じるわけではありません。
- 几帳面
- 自己否定
- 自己犠牲
- 内向的
などの心理・性格的因子も更年期障害発症の要因となりえます。
社会・文化的因子
更年期という年代は、女性を取り巻く環境に様々な変化が起こりやすい時期です。
- 子どもの進学・就職による心配からの開放
- 両親や友人の病気や死
- 夫と子ども、友人との人間関係問題
など
このような環境の変化により、ストレスは倍増し、不定愁訴の発症に関与します。
更年期障害に対する鍼灸治療
鍼灸の目的
鍼灸治療の目的は大きく分けて
- のぼせ(ホットフラッシュ)や冷えなどに対して自律神経の調整
- 肩こりや頭痛、腰痛などに対して筋緊張緩和
- 多彩な不定愁訴に対する東洋医学的アプローチ
の3つです。
治療内容
のぼせ(ホットフラッシュ)や冷えなどに対して自律神経の調整
手や足先に鍼灸治療を行うことで自律神経の調整を行います。
肩こりや頭痛、腰痛などに対して筋緊張緩和
肩こりや頭痛、腰痛などの症状に対して、筋緊張緩和を目的に鍼灸治療を行います。
全身の筋が緩むことで睡眠障害や全身倦怠感などの改善も期待できます。
多彩な不定愁訴に対する東洋医学的アプローチ
更年期障害は、西洋医学では説明ができないような多彩な症状が出現します。
東洋医学的アプローチでは、同じ更年期障害でも症状によって全く違う治療を行います。
腎陰虚の更年期症状:のぼせ、便秘、めまい
腎陽虚の更年期症状:四肢の冷え、腰や膝の軟弱化、精神不振など
頻度
はじめは週1回の治療頻度をご提案させていただいております。
1ヶ月後の経過から判断し、改善していれば月1回の頻度に変更する予定です。
※これはあくまでもモデルケースの治療頻度です。お一人お一人の症状・通院環境・経済環境から最適な通院頻度をご提案させていただきます
参考文献
ご予約お問い合わせ